研究課題
記憶における加齢と社会性の相互作用の基盤となる脳内機構
研究概要
本計画研究では、ヒトの記憶の加齢による経年変化を脳の器質的変化だけで説明するのではなく、他者との社会的関係性や生活習慣などの外部環境や、身体状態や感情などの内部環境との相互作用の中で、どのように脳内メカニズムが可塑的に変化するかの視点から解明することを目的とする。その目的を達成するために、若年成人と高齢者の脳活動や脳構造を多角的な脳画像研究法から検証する生理心理学的研究を実施する。さらに、脳画像研究で得られた知見の機能的妥当性を明らかにするために、神経疾患患者を対象として、記憶と環境との相互作用に関連する機能低下の特徴を神経心理学的手法によって検証する。これらの研究から、環境との相互作用の中で可塑的に変化する高齢者の記憶機能の特徴とその脳内メカニズムを明らかにする。この成果を通して、社会の中で生活する高齢者においても、新たな知識や技能を獲得することが可能であることを科学的に証明することにつながり、従来の加齢観を刷新する高齢者の新たな可能性を証明することになる。(A02班代表:月浦崇)
研究組織
- 代表者:
月浦 崇(京都大学大学院人間・環境学研究科・教授) - 分担者:
朴 白順(弘前大学大学院保健学研究科・准教授)
上田 竜平(京都大学人と社会の未来研究院・助教) - 協力者:
村井 俊哉(京都大学医学研究科・教授)
上田 敬太(京都光華女子大学健康科学部・教授)