生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新

Lifelong sciences: Reconceptualization of development and aging in the super aging society        

領域趣旨

65歳以上の高齢者の割合が総人口の28%を超えている我が国にとって,超高齢社会に対して社会全体としてどのように対応していくのかは,喫緊の解決が求められる重要な社会問題です.これまでは,人間の生涯は「成長から衰退へ」という単純な枠組みでとらえられてきましたが,人生100年時代の到来とともに,従来のような固定的な生涯観だけで人間の生涯を理解することは難しくなってきています.そこで本領域では,従来の生涯観を刷新し、人間の生涯における変化を、社会との相互作用の中で多様な成長と変容を繰り返す生涯発達のプロセス(図1)としてとらえ直すことを目的とした,新しい学際的研究領域である「生涯学」を創出し,研究を展開します。

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(図 1)

そのために本領域では,行動解析を基盤とする認知心理学的研究、脳機能の計測による生理心理学的研究、精神・神経疾患を対象とする臨床心理学的研究、社会調査を基にした社会学的研究、多様な文化を対象としたフィールド調査を基にした文化人類学的研究などの基盤的研究と、それらの基礎的研究の成果を社会実装するための教育学的研究を有機的に連携させ、基礎から応用までの展開を進める多元的な人間研究を実施する予定です。本領域の進展により、全世代の人々が豊かな人生を享受できる超高齢社会を実現するための科学的基盤の解明と、その成果を元にした社会実装を行い、新しい生涯観を社会と共有することをめざしていきたいと思います。(領域代表者:月浦崇・京都大学大学院人間・環境学研究科・教授)

研究計画班

A01 知覚・認知心理班
(認知心理学)

知覚・認知の生涯観の刷新

A02 生理心理班
(生理心理学)

高齢脳における記憶の可塑性

A03 臨床心理班
(臨床心理学
)

認知機能における予備力の役割

B01 高年社会参加班
(社会学)

高齢者の社会参加の条件はなにか?

B02 ウェルビーイング班
(社会学)

well-beingを高めるサポートとは?

C01 技能発達班
(文化人類学)

技能習得と多元的な発達観

C02 ヒトモノ班
(文化人類学)

モノとともにあるヒトの生涯

D01 社会教育班
(教育学)

新「生涯」観の社会実装

総括班

生涯学の創出と推進