C01:技能発達班が「第4回技能習得と発達についての人類学的研究研究会」を開催しました

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開催日時:2021年12月3日(金)18:30-21:00

開催場所:オンライン

使用言語:日本語

プログラム:
18:30-18:40 主旨説明ほか

18:40-20:00 研究発表
「行為の組織化と模範の不在――ポルトガル共和国ポルト市のサッカークラブにおけるトレーニングと試合の過程から」
相原 健志(関東学院大学国際文化学部)

20:00-20:15 休憩

20:15-21:00  コメント&質疑
コメンテーター 三津島一樹(京都大学大学院人間・環境学研究科)

報告概要:
研究会では、ゲストスピーカーの相原健志氏(関東学院大学国際文化学部)が、ポルトガル共和国のサッカークラブの戦術練習を事例に、模範の不在および言語による直接的な指導がない状況における、選手たちの学習の在り方について報告した。核となる事例として、コート中盤からボールを前方に運べず後ろを向いて相手に奪われてしまう選手がいたものの、まわりの選手の配置換えによって他選手との連携的な関係性が生まれ、結果的にボールが前方へとつながるようになった出来事が紹介された。これは、行為者に身体的所作それ自体(プレイ内容)の修正や置換を強いるのではなく、行為者が配置されている関係項を別の関係項と位置づけ直すことで、その場において問題とされた現象がそもそも問題として立ち現れないようになる、熟練化とは様相を異にする学習の在り方であった。質疑では、学習とはなにを獲得する/変化させることなのか、といったさらなる問題提起を含みつつ、スポーツの枠を越えて活発な議論が展開された。(萩原卓也・京都大学研究員)